大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(う)2277号 判決

被告人 西村正美

〔抄 録〕

原判示第二の事実についての訴因は、山崎栄子に対する強盗致傷の後に強盗強姦未遂があったというのであるが、これに対し原判決認定の第二事実は右訴因と同一日時場所における山崎栄子に対する強盗行為と強姦行為とが同時に開始されて平行して進められ、その間に同女に傷害が加えられ、強姦行為が未遂になってから強盗行為が既遂になったと認めているのである。両者を比較すると、被告人に強盗の故意が当初から存在したとする点で同一であり、ただ外形的行為が強盗致傷のそれと強姦未遂のそれとが先後の順序において反対になっているほかは、外形的行為の内容そのものは大体同一であり、強姦の故意が犯行の当初にさかのぼっているとはいえ、いずれも法律的評価において、強盗強姦未遂、強盗致傷とか刑法第五十四条第一項前段の罪数関係になるとする点でも異るところがなく、また記録上被告人の防禦権の行使に影響があったことも認められない。従って原審が訴因変更の手続によらずに原判示第二事実を認定しても違法とはいえない。所論は理由がない。

(八島 吉田信 吉沢)

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